漫画「ゴミ屋敷とトイプードルと私」に学ぶSNSとの適切な距離感

携帯カメラでSNS投稿画像を撮影する女

女性記者ココナッツです。

皆さんは各種電子コミック配信サイトにて連載されている「ゴミ屋敷とトイプードルと私」という作品をご存知ですか?

SNS中毒の女性達が転落していく様を綴った作品なのですが・・・

これ、なかなかリアル

なんです。

私自身、SNSで「いいね」を集める投稿をする事に没頭した経験がありますし、周囲にはSNS内での振る舞いが原因で評価を落とした人も存在します。

今は懐かしいmixi全盛期の大学在籍時、私はSNSを研究材料に選んだのですが、その当時は「こんなに面白いものはこの世にない」とさえ思っていました。

mixi、モバゲー、Twitter、Facebook、Instagram・・・

全て利用経験ありです。

LINEなんか今では連絡ツールとしてメール以上に浸透していますよね。

チャット機能メインで利用しているとSNSである事を忘れがちですが、広義ではSNSに該当します。

そんなSNSですが、隆盛を極めた現在では「辞めたい」という方が後を絶ちません。

加えて、「辞めたいのに辞められない」という悲痛な声も耳にします。

今回は漫画「ゴミ屋敷とトイプードルと私」を参考に、SNSの闇と適切な距離感について考察します。

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「ゴミ屋敷とトイプードルと私」が体現するSNSの闇

ゴミ屋敷とトイプードルと私

「ゴミ屋敷とトイプードルと私」では、シリーズを通して「キラキラした私の日常」をSNSに投稿する女性達が主人公です。

連日オシャレなカフェやバーに繰り出し写真をアップし、さりげなくブランド品をアピール、仕事を頑張ってる私アピールも抜け目なく。

いますよね?こんな女性・・・

こんな事言っては何ですが、芸能人でもない一般人のこーゆー系の投稿ってちょっとイライラしてしまいますよね。

まぁ私もかつてSNSで似たような投稿してたんですけど(白目)

でも、これ系の投稿って何故か覗き見してしまう謎の中毒性があったりします。

これは私のような性格の悪い女性特有の心理でしょうか?

はたまた、嫉妬なのでしょうか?

「あの子の投稿見た?」「めっちゃイライラするわー」的な会話を友人とした経験って、女性なら割とあるように思います。

そんな「痛い投稿」をする性悪で痛い女性達の転落を、一種のエンターテイメントにしてしまった感がこの作品にはあります。

俗に言うニラヲチを楽しむという、やや根性の悪い楽しみ方です。

よって、普段SNS女子に辟易している方にとっては溜飲が下がる事間違いなしです。

借金してまでブランド品を購入したり、買ってきただけのシチューを「3時間煮込んだてい」で彼氏に出したり等々、彼女達の行動は常軌を逸するレベルではありますが、SNSに投稿する内容は私達がごくごく一般的に目にするようなものだったりします。

非日常を日常であるかのように装飾し、実体以上にリッチな自分を演出する・・・虚しい行為ですよね。

一体何が彼女達をそこまで駆り立てるのでしょうか?

それはずばり

承認欲求を満たしたいという欲望

です。

周囲に認められたい、注目を浴びたい・・・人間の本能に近い欲望です。

そんな欲望が、誰かが自分の投稿に「いいね」を押してくれたり、コメントをくれたりする事でこれほどまでにない程手軽に満たせるようになったんです。

この承認欲求を満たす為に行った行動が過剰であった故、作中の主人公達は転落していきます。

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SNSがこんなにも隆盛を極めた理由

何故SNSがこんなにも隆盛を極めたのか?

確かに、自分の生活を現実以上に良く見せたいと思う心理は理解出来なくはないですよね。

では、一体何故その行為が「ゴミ屋敷とトイプードルと私」に登場する女性達のように行き過ぎてしまうのか?

以下の引用をご覧ください。

 論文を発表したのは米ハーバード大学(Harvard University)社会的認知・情動神経科学研究所(Social Cognitive and Affective Neuroscience Lab)のジェーソン・ミッチェル(Jason Mitchell)氏とダイアナ・タミル(Diana Tamir)氏。両氏の研究チームによると、自分の感情や考えなどを他者に伝える「自己開示」によって、脳内では快楽物質ドーパミンに関連する領域が反応を起こすことが分かった。ドーパミンは報酬への期待や満足感に関係する化学物質だ。

チームによると、人間は通常、発言のうちの30~40%を「他者に自分の主観的体験を伝えるため」に費やしているが、ソーシャルメディアへの投稿ではこれが80%近くになるという。

引用:米科学アカデミー紀要(Proceedings of the National Academy of Sciences、PNAS)

要するに「SNSに投稿し、他者に自己開示するという行為」は快楽物質であるドーパミンに関連する領域が脳内で反応を起こす非常に気持ちが良い行為なんです。

自分の気持ちや誰かに自慢したい事、腹が立った事など、どんな内容のものでも誰かが何かしら反応してくれる事が脳にとっては大きな悦びになるんですね。

そんな「気持ちが良い事」を人は簡単には辞められません。

故にSNS中毒に陥り、現実の生活がバーチャルな行動に振り回されるまでに熱中してしまうんです。

「ゴミ屋敷とトイプードルと私」に学ぶSNSとの適切な距離感

ゴミ屋敷とトイプードルと私

作中で転落していった主人公達を見て思った事、それは評価を下すのは常に自分以外の他者であるという事です。

どれだけキラキラした日常を華やかに見せて投稿しても、それを見てどう思うかは他者次第です。

「無理しちゃって」「あんたそんなキャラじゃないでしょ」「毎回毎回痛々しい」「暇なんだね」

どれだけ綺麗な写真を載せてアップしようが、面白い投稿をしようが、見る人によっては上記のような事を思う可能性もあるんです。

フォロワーや友達リストの中には自分の事を良く思っていない人や、もう何年も会っていない知人、今は親しくとも今後疎遠になっていく人達もいるはずです。

そんな人達がキラキラした投稿を見てどう思うか?

そう考えると、大事な人や伝えたい事がある人には直接連絡を取ったり直に会う事が重要だと思いませんか?

装飾した自分ではなく、等身大の自分をありのままに話して交流するんです。

Facebookよりface-to-faceです。

綺麗でオシャレな写真を撮っているアカウントは、きっと相当張り切っていますよ。

ビジネスの一環として取り組んでいる場合は別ですが、その労力を他の事にまわせば現実の世界でもっと認められるだろうにと思ってしまいます。

「寝起きの私風写真」はガチの寝起きじゃありませんし、「冷蔵庫の残り物でぱぱっと作ったていの料理」はある程度材料を仕込んでいます(笑)

そう考えると、滑稽ではありませんか?

また、SNS内でのふるまいが現実の人間関係に影響を与える可能性もあります。

軽々しいつぶやきやコメントのせいで一生の友を失う可能性だってあるんです。

そう考えるとちょっと怖いですよね。

今の世の中、SNSから完璧に距離を置く事は難しいですが、以下の事を一部実践するだけでもかなりSNSと上手に付き合う事が出来るようになると思います。

  • 情報収集に留める
  • 重要なライフイベント(結婚・出産の簡単な報告)のみを投稿する
  • 繋がっていたい人とは個別に連絡を取り合う
  • SNSの類には一切手を出さない

漫画「ゴミ屋敷とトイプードルと私」では、社長令嬢である真の勝ち組は顔を出さずにSNSを利用していました。

要するに、

承認欲求を満たす事に熱心な状態はそもそもが負け

なんですよね。

「私を見て見て!」ではなく、「煩わしいからあまり見ないで」という状態の方がカッコイイですし、現実では充たされている気がします。

そんなカッコイイ状態を目指して、今一度SNSでの振る舞い・距離感について考え直してみませんか?

以上、最後までお読み頂きありがとうございました。

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