この動画は1960年から2017年までの58年間、日本・中国・韓国・インドというアジアの主要4か国のGDPをグラフで比較したものです。
「1980年代後半からの日本スゲー!」と思っていたら、90年代半ばから停滞し出し、2000年代後半からもの凄い勢いで追い上げてきた中国が遥か彼方まで突き抜けていくところで幕を閉じます。
中国のGDP(国内総生産)が日本のGDPを上回ったのが2010年。
その後、成長率は特段鈍化する事もなく、2014年には日本の二倍以上のGDPとなりました。
この中国の躍進を「単なるバブル」だとか「一人当たりのGDPはまだまだ日本に及ばない」などと言って溜飲を下げている日本人の何と多い事。
もちろん、「人口が多く面積が広いのだからこの程度の躍進は分相応」という意見も理解出来ますが、想像以上に「まだまだ日本の方が先進的」であると考えている日本人が多く、辟易します。
ここで問題なのは「まだ日本の方が何となく上」という考え方そのものです。
日本人の多くがこの考え方のままだと日本の停滞は避けられませんし、これ以上の躍進はあり得ないどころか後退する可能性の方が高いです。
というわけで今回は、かつて「眠れる獅子」とうたわれた超大国・中国の覚醒と日本の今後について考察したいと思います。
中国のGDP、購買力平価ベースでみるとスゴい事になっていた
この動画は1800年代~2040年(未来予想)までの世界各国のGDPを購買力平価ベースで比較したものです。
何と中国は2014年にはアメリカ合衆国を上回り世界1位になっていたのです。
購買力平価とは、簡単に説明すると「モノの値段を基準にした通貨の交換比率(レート)」のことです。
「同じものは世界中どこにいっても同じ価値があるはず」という、一物一価の考え方でレートを計算したものになります。
つまり、中国の体感的な経済力はもはや米国を凌ぐ程の規模にまで拡大しているという事になります。
有史以来、中国のGDPは常に世界トップクラスだった
先項の購買力平価ベースでのGDP比較動画をご覧の通り、中国はつい200年程前まで世界一のGDPを誇る正真正銘の超大国でした。
広大な国土と大量の人口を擁する極東の文明大国として、ユーラシア大陸のあの地に長年君臨していたのです。
自らを中華(世界の中心)と自称し、常に世界の最先端をいく存在でもありました。
そして周辺の国々はそんな中国と対等な関係ではなく、朝貢貿易しか許可されていませんでした。
もちろん、日本も他国と同じように中国に対して熱心に朝貢していました。
宗主国と属国とまではいきませんが、朝貢貿易は対等な関係で行われるものではないので、その当時の中華王朝が東アジアで持っていた影響力は相当なものだったと考えられます。
そもそも、世界史の勉強をしていたら中国の四大発明だったり科挙制度だったりがごく当たり前に出てくるので、その功績は誰もが知るところだと思います。
しかし、今の中国がかつてそのような大国であった事をすっかり忘れているような日本人が多い気がします。
例えば、観光客のマナーがあまり良くない事や反日行為を行う一部の中国人を蔑むあまり、強大な中華人民共和国という国家までも過小に評価している傾向があるように思います。
これは日本人の慢心であると言わざるを得ません。
華僑は東洋のユダヤ人?中国人の思想
最後に、中国人の根底にある思想に関してですが、これが日本人とは全く異なるものなんです。
例えば、日本人は先祖から受け継いだ土地を大事にし、その土地の隣近所等との関係、いわゆる地縁を重視する傾向にあります。
「遠くの親戚より近くの友人」という言葉を聞いた事がある方も多いと思います。
しかし、中国人の場合、これは全く逆になります。
すなわち、「近くの友人より遠くの親戚」なんです。
相次ぐ戦乱や、土地の権利を握っているのが国で国民はそれを租借しているという構造の中国では、何よりも「血縁」を重視します。
これは国を持たない流浪の民族ユダヤ人の考え方に通じるものがあります。
そんなユダヤ人は金儲けが非常に上手で、経済的に成功している人が数多く存在する事で有名です。
血縁を非常に重視する民族性・・・この部分がかなり合理的と言うか、日本人とは非常に異なる考え方なんです。
一例を挙げると、
中国人の三人兄弟A・B・Cがいたとして、その兄弟全員にそれぞれ子供が一人ずついたとします。
Aの子供は非常に優秀で、BとCの子供はごく平均的な成績。
Aの子は将来大学院に進学して研究者になりたいと考えていますが、それには大変お金がかかります。
父であるAの経済力では厳しい状況です。
そんな場合、叔父であるBとCが自分の子供を差し置いてAの子供の学費を工面するのです。
おかげでAの子供は大学院にまで進み、無事研究者になります。
その後、Aの子供は研究者として結果を出し、自分の研究所を設立する程に偉くなります。
そして、そんなAが設立した研究所の重要なポストには、縁故で雇用された叔父BとCの子供達が就任するのです。
つまり、
成功する可能性の高い優秀なAの子供に投資した叔父BとCは、間接的にAの子供の成功によって自分の子供達の将来を手に入れた事になります。
この可能性の高いところに投資し、その恩恵を享受するという考え方、かなり合理的だと思いませんか?
成功する可能性の高い優秀なAの子供にリソースを割く事で、一族が揃って豊かになる可能性が高まるシステムです。
中国人の根本には「友人や時には配偶者でさえも裏切る事はあるが、血縁者は絶対に裏切らない」という考えがあります。
故に中国では同族企業が蔓延っています。
また、「香港マフィアは家族も皆殺しにする」という話を聞いた事がある方がいるかも知れませんが、それは血の繋がった者を生かしておくと高確率で復讐されるからだと言います。
これは近年、叔父や叔母クラスの親族との距離感でさえ開きつつある日本人には到底理解不可能な考え方ですよね。
このような思想を持った中国人が十何億人も存在すると考えると、リソースを割かれるAの子供のような人物も大量に存在する事になります。
そして、リソースを割いてもらったAの子供のような人物達は自分が出来る限りの範疇で、血縁者達に自分の成功を還元します。
まとめ
ほんの十数年程前まで、我々日本人は「ニーハオトイレ」を笑い、中国人のマナーの悪さを嘲笑していました。
しかし、考えてもみて下さい。
中国の人口は約14億人です。
この14億人以外に、海外に進出し成功をおさめている華僑や華人、中華系移民が存在します。
そんな莫大な人口を誇る漢民族であれば、マナーが悪く無作法な人間と同等以上に優秀な人材がごろごろいても何ら不思議ではないですよね?
田舎の農村の状況やマナーの悪い層を見て「遅れているな」と溜飲を下げ、まだまだ自分達の方が先進的であると高を括っていた日本人は、日本人らしく「下見て暮らせ」を実践していただけなのではないかと思います。
かつては中国にODAを支給していた日本ですが、ここ10年程でもはや同じ次元で競争して勝てる相手ではなくなったと言えます。
今後は国の制度や社会構造、そして考え方を改め、中国にはない強みを最大限に伸ばし、違う次元で競争する事が必要になってくるのではないかと思います。
それは人口が減少しつつある日本が経済的に拡大していくという方向ではなく、中国には無いリベラルさや高い教育水準や福祉、精鋭特化した世界最高水準の技術等でもって実現可能なものだと考えます。
以上、最後までお読み頂きありがとうございました。
しまじろう
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