女性記者ココナッツです。
2019年度の税制改正の焦点の一つ「寡婦控除」のひとり親への適用拡大ですが、政府は新たに未婚のひとり親にも寡婦控除を適用する事を決定しました。
少子化を食い止めたいのであれば英断ですが、自民党内には「伝統的な日本の家族観に反する」という意見も散見されるそうです。
平成も終わろうとしているにも関わらず、「伝統的な日本の家族観」ですか・・・
まず、その「家族観」とやらを変えていかねば少子化なんて解決しませんよね。
教養がありそうな政治家の先生方は、「日本の家族観」が実はころころ変わっていたってご存知ないのでしょうか?
平安時代は通い婚が多く見られましたし、江戸時代の商家では婿取りも多々見られました。
今現在スタンダードとされている家父長制は当初は武家の一部に見られた習慣でしかありませんでした。
明治時代に西欧諸国の制度を採用するに辺り、この家父長的家制度も規定されたのですが、伝統は伝統でも、「作られた伝統」でしかないように感じます。
この辺の見解に至ってはさすが自民党、杉田水脈議員が厳重注意のみで在籍可能なだけはあります。
さて、本題の「寡婦控除の適用拡大」についてですが、そもそも寡婦控除って何?という方の為に、詳しく説明したいと思います。
そもそも?「寡婦控除」とは?
寡婦控除の寡婦とは、以下の要件に該当する人です。
(1) 夫と死別し、若しくは夫と離婚した後婚姻をしていない人、又は夫の生死が明らかでない一定の人で、扶養親族がいる人又は生計を一にする子がいる人です。この場合の子は、総所得金額等が38万円以下で、他の人の控除対象配偶者や扶養親族となっていない人に限られます。
(2) 夫と死別した後婚姻をしていない人又は夫の生死が明らかでない一定の人で、合計所得金額が500万円以下の人です。この場合は、扶養親族などの要件はありません。
※「夫」とは、民法上の婚姻関係をいいます。
引用:国税庁 寡婦控除
この寡婦控除ですが、離婚した男性でも500万円以下という所得制限付きで、控除が受けられます。
そして、一度結婚して離婚、若しくは配偶者と死別した女性は所得制限なしで控除が受けられるという制度です。
そこを政府が2019年度の税制改正にて、未婚のひとり親にも控除の適用を決定したのです。
未婚のひとり親差別
「伝統的な日本の家族観に反する」だなんて言われてしまうと、私は笑ってしまうのですが、要するに「未婚の父母を量産しかねない」という点を危惧しているのでしょう。
父母と言うよりは主に未婚の母でしょうか?
「両親揃っている方が良い」という意見もあるでしょうが、はっきり言って、
一度結婚したか否か
が控除のされ方に影響する未婚のひとり親差別のような状況に疑問を感じます。
無論、男女で所得制限の有無がある事もどうかとは思いますが、裕福な人は適用されないと解釈するとまだ納得がいきます。
ですが、何故未婚の父母は適用から外していたのでしょう?
「伝統的な日本の家族観に反する」などと前時代的な事を言っていたら、この国の出生率は低下する一方ですよね。
伝統もクソもなく、とにかく子供を産んで育てやすい環境にする為に全力投球しなければならないはずです。
未婚のひとり親の控除適用にあたっては「所得制限」が課されるか否かがまだ確定しておらず、断定的な事は言えませんが、
政府のこの取り決めは一歩前進だと私は思います。
まとめ
未婚のひとり親になった経緯は様々でしょうが、生まれてくる子供はこの国の宝ですよね?
どんな状況・境遇であろうと、政府は出来る限りの支援を行う必要があると思います。
にもかかわらず、未婚のひとり親が冷遇されていた事実を、今回初めて知りました。
少子化対策を真剣に考えるのであれば、これまでの伝統を一新するようなフレキシブルな思考が必要ではないかと考えます。
しかし、そんな私ですが、現代日本の人口は過多だと感じる性分ですので、女性に無理矢理出産を強要するような社会にだけはなって欲しくありません。
産みたい・育てたいと思う方が出産・育児に携われば良いのです。
それは未婚であろうがひとり親であろうが関係ありません。
子供の養育を考慮しての控除なのですから。
以上、最後までお読み頂きありがとうございました。
ココナッツ
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